ソーシャルアパートメント入居者がオリジナルの洋服を1から制作!アパレル企業×ソーシャルアパートメント 第2弾に向けたトークセッションを開催! [イベントレポート]
4月20日(土)The Millennials 渋谷にて、昨年スタートした「ルームウェア商品開発プロジェクト」第2弾の開催に伴い、ソーシャルアパートメント入居者向けにトークセッションが行われました。
本プロジェクトは、アパレルメーカー「TARROW TOKYO」と「ソーシャルアパートメント」の入居者がコラボし、ルームウェアの企画から開発・販売までトータルプロデュースするもの。実は、モデルやカメラマンまで自分達で行うなど、クリエイティビティに富んだ企画となっています。当日は、前回のプロジェクトで「ラウンジウェア」※1を制作したネイバーズ上北沢のメンバーにご登壇いただき、ECサイトなどのオンライン上ではなかなか伝わらない、こだわりが詰まった開発の裏話など溝呂木さん(TARROW TOKYO)と上北沢メンバーそれぞれの視点からお聞きしました。
トーク後は、ひょんなことから用意することが決まったTARO TOKYO ONIGIRI※2 の登場も(詳細については後述…)。今回は【ソーシャルアパートメント × TARROW TOKYO × TARO TOKYO ONIGIRI】 という、まさに衣食住のコラボ!様々な形でライフスタイルを提供してきたグローバルエージェンツらしいイベントになりました。
それでは早速、当日の様子をレポートしていきます!
※1 【TARROW TOKYO ONLINE】昨年度制作した商品:LOUNGE WEAR
※2 都内を中心に「米」「塩」「海苔」を追求したオリジナル具材のおにぎりを提供するフードブランド
まずは、初めて知った方に向けてざっと概要をおさらい。
アパレルブランド「TARROW TOKYO」について
TARROW TOKYOは服作りのプロが「本当にいい服を届けられているのだろうか?」という疑問から「売るための服作り」ではなく、自分たちが着たいと思える本当に上質な「着るための服」を適正な価格で販売するためにできたOEM発のオリジナルブランド。
大量消費される服ではなく、長く大切にされる服を増やすことが本当のサステナビリティであると考え、多くの人が着用しやすいシンプルなデザインとシルエットにこだわり、服作りを行っています。
公式サイト: https://tarrowtokyo.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/tarrow.tokyo/
第1弾の様子
TARROW TOKYOは、シンプルでベーシックな商品を展開しながらも、遊び心を加えた商品を開発したいと考えていたところ、一人暮らしに加えて住人間の交流を楽しめる住居形態であるソーシャルアパートメントに興味を持ち、グローバルエージェンツと協議したところ、入居者を活用した商品開発を行うことに。
ソーシャルアパートメント入居者に向けてプロジェクトメンバーを募集したところ、16チーム、76名の募集があり、その中でネイバーズ上北沢の入居者を中心としたチームが選ばれました。
ソーシャルアパートメント入居者には、部屋着とラウンジなどの共用スペースで着るような外着との境界線に悩むという課題があり、その課題を解決するようなルームウェアの開発を進めることとなりました。半年後の商品化を目指し、2023年3月からプロジェクトがスタートしています。販売後、完売&追加生産が決まるなどの大きな反響がありました。
詳細は下記サイトからご覧いただけます。
>【入居者がアパレル企業と洋服を本気で作った話 vol.1~3 [コラム]】
トークスタート!
約1年ぶりに対面した溝呂木さんとネイバーズ上北沢メンバーの皆さん。最初は照れくさそうにしながらも、当時を思い出すにつれ、段々とトークに熱がこもっていくところが印象的でした。
市川(PR事業部) 最初、どんな風に進めていきたいと思っていましたか?
溝呂木さん TARROW TOKYOはOEMの新規事業として2022年に始まり、ブランド運営のノウハウが全くない状態からのスタートでした。皆さんの知識や知恵をお借りしながら一緒にやっていきたいなという思いがありました。実際にSNSは上北沢メンバーが主体でやってくださいました。
ネイバーズ上北沢メンバー 最初はTシャツを作れたらいいな位の気持ちだったのですが、タロウさんが「トップスでもボトムスでも、なんでもいいですよ」っていうスタンスだったのに驚きました。
ネイバーズ上北沢メンバー お話させていただく中でタロウの真っ直ぐな思いや実際に工場に行かれた際の思いを聞き、感動しました。例えば洋服の過度な廃棄をなくしていきたいなど、タロウさんの社会に対する思いに素直に共感しました。最初は「社会」という大きな枠で問題を捉えてしまっていたのですが…私たちは一緒に暮らしている人間です。隣で暮らす人の顔が見えるっていうところが強みでもある。それで、私達は「半径3メートル以内の人が笑顔になれる」ものづくりをコンセプトに据えました。まずは、身近に暮らす人に届ける。それが連鎖して隣の人、他の物件で暮らす人にも届いていくといいなというところが出発点になりました。
市川 ソーシャルアパートメントの中でしかできないことにアプローチしたんですね。
タロウのブランドコンセプトや私達の強みや特徴とはなんだろうと自問自答した上北沢メンバー。
そこで、ソーシャルアパートメントの特徴に目をつけました。ソーシャルアパートメントは様々な価値観を持った不特定多数の人と一緒に生活をすることで、自分にはなかった考え方を知るきっかけが多く転がっているユニークな場所。住人と積極的にコミュニケーションを取り、ブレストやMTGを重ねていく中で、普段何気なく生活しているからこそ感じている悩みを互いに共有することができたと言います。そこから見えてきたものを形にすることが、私達のできることだと感じたそうです。
上北沢の皆さんは、自らでアイデアを出しあい、ソーシャルアパートメント独自の告知のデザインやSNS運用を打診。SNSを通して、「身近に暮らす人」に向けて、作り手の人となりや様子、制作過程をアップしていきました。
溝呂木さん 僕はどちらかというとPR側にいた人間なので、現場についてはこのプロジェクトを通して学ぶことも多かったんです。今回のコラボを通して、改めて服作りが楽しいと感じました。
筆者が一番驚いたのは、上北沢メンバーのコミット力です。実際にお話を聞くまでは、あくまでもブランド主体でソーシャルアパートメント入居者はサポート的な立ち位置だと思っていましたが、想像以上に相互的な関係を築きながら対等にものづくりをしていてたことを知り、その両者の姿勢に感銘を受けました。
また、現在ではTARROW TOKYOのアイコン的存在となっている「タロウくん」ですが、一時期は企業内ではキャラクターの使用を控えようとする動きもあったそうです。本プロジェクトが始動し、上北沢メンバーが可愛い!といいラウンジウェアに採用したことをヒントに新たな光が当てられ、商品のみならず、タロウくんのステッカー作成など積極的な利用が行われるようになったとの驚きの裏話も!
第2弾の募集にあたって
前回の募集時はタロウにとっても初めての機会。オーディション形式を取り、数回に渡るアンケートの実施も行いながら手探りの状態で進めていった様子をお話してくださいました。
【プロジェクトの流れ】
①ブレスト
実際にどんなテーマで作っていくか、どんなものを作るかなどの意見交換を行う。
②MTG+生地選び
大枠決まったら、サンプルを作るまでの必要な情報(生地の選定など)を整理。
③1stサンプルチェック
サンプルを着て生活してみる。着心地や選択の形状変化を実験。
④サイズの調整
展開するカラーや編地の選定、サイズなどの調整を行います。
⑤完成
溝呂木さん タロウではスムーズにいけば3~4ヶ月位で1着を制作しますが、今回はひとつひとつをかなりこだわったので8ヶ月以上かかりました。時間を掛けた分、他の商品より反響がありましたね。
ネイバーズ上北沢メンバー ソーシャルアパートメントでは、どの物件でも共用の乾燥機付きランドリーが設置されていますが、バルコニーの設置のない物件では乾燥機が必須です。「洗うことがストレスにならない」ことにもこだわり、サンプルは2週間くらい着て洗ってを繰り返して形状変化を見てみました。ポケットも生活してみて障害が出たら調整して、サイズの寸法はミリ単位で調整しました。
溝呂木さん (通常は1~2着ですが)結局3~4着くらいサンプル上げましたよね。その分、最終的に仕上がったときには納得感がありました。
市川 ネイバーズ上北沢メンバーの熱量の結果ですよね。今回の募集も6ヶ月くらいで案内する予定ですが、実際の期間は少し変動する可能性も考慮したほうが良さそうですね。
自分自身が着たいと思えるか。それにまっすぐ向き合った結果、現在でもワードローブに必ず登場する大切な1着が出来上がったと皆さん大変満足そうな笑顔を見せてくださいました!
ネイバーズ上北沢メンバー 参加してめちゃくちゃ良かったです。仕事帰りで正直疲れていることもあったけど、みんなとだから頑張れました!夜にラウンジに集まって意見交換した時間は、確実に私達の中を深めてくれました。ひとりで何かを作るには、まずは沢山のお金を貯めたりコネクションを作ったりする必要があるけど、ソーシャルアパートメントに入居したからこそ得られた貴重な経験でした。挑戦すること自体はタダなので、少しでも興味があるならやるべきです!とってもおすすめです!
トークセッション後は「TARO TOKYO ONIGIRI」を食べながらラフにお喋りタイム
参加者は他物件の入居者との交流も兼ねて、各テーブルを自由に移動しながら自由に会話を楽しんでいました。序盤でも触れたTARO TOKYO ONIGIRI はこちら!
蛇足にはなりますが…本プロジェクトを今回のイベントで初めて知った筆者が「タロートーキョー」=「おにぎりのイベント」と勘違いした結果、提供が決まったという背景がありました(笑)。
無事イベント終了!
TARROW TOKYOやネイバーズ上北沢の皆さんの「良いものを貴方に届けたい」という真っ直ぐな心と、「つい誰かに教えたくなる」ような遊び心溢れるもの作りは、筆者をはじめイベント参加者の皆さんに伝わったはず!皆さんどこか名残惜しそうに、会場を後にされていたのでした。
(取材・文・撮影:山田)
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