入居者がアパレル企業と洋服を本気で作った話 vol.2 [コラム]
アパレル企業のTARROW TOKYOとソーシャルアパートメントの入居者チームで開始した「ルームウェアプロジェクト」。ソーシャルアパートメントの入居者ならではの視点で商品を開発し、実際に販売することを目指して取り組んでいます。TARROW TOKYOのWebサイトにて公開されているコラムを数回に分けてお届けしていきます。
< 前回までの記事 >
入居者がアパレル企業と洋服を本気で作った話 vol.1 [コラム]
今回から洋服づくりの話に入ります。このフェーズになるまで約2ヶ月構想を練っています。上北沢チームの皆さんはその期間、仕事終わりにほぼ毎日このプロジェクトのために時間を作ってくれていました。
調査アンケートの実施
タロウスタッフと上北沢チームで練った構想が、ちゃんと人々に響くかどうか、また見過ごしている点はないか、確認をするためソーシャルアパートメント運営元であるグローバルエージェンツさんご協力の元、全物件を対象にラウンジウェア(※イメージし易いよう調査内ではルームウェアに言い換えています。)に関する調査アンケートを実施しました。
内容は大きく以下のようなもの
- 買いやすいと感じる価格帯はどれくらいか?
- ラウンジウェアに求めるものは何か?
※個別に入居者複数名に個人的な聞き取りアンケートも実施。
この調査の結果を元に価格設定や生地選び、デザイン決めを行うことにしました。ご協力いただいた皆様、貴重な時間・ご意見をありがとうございます。
シルエットデザイン / 生地の決定
①シルエットデザイン
上北沢チームの皆さんがイメージとしてもっていたものと調査データを反映させつつ、ブラッシュアップしていきました。
特にこだわった部分は以下(上北沢チームコメント)
上北沢チーム 私たちのプロジェクトテーマとして「半径3mの人が着たいと思える服づくりを」というものがあり、とにかく身近な人のリアルな声を聞いて服作りに活かそうと思っています。 本当に多くの時間をかけ、様々なこだわりを詰め込めるようにしていますが、その中でも特に「シルエット」と「耐久性」にはこだわりたいと思っています。
上北沢チーム シルエットに関しては、ゆったり目のシルエットをベースにしつつ、Sサイズは女性が着やすいシルエットにできるよう考えています。沢山の人に着たい!と思ってもらえるようなシルエットにすることが理想です。
上北沢チーム 次に耐久性、これにこだわった理由は二つあります。 一つ目は、調査アンケートの中で洗濯によるシワや縮みに悩みを持つ方が多かったということ。実際に沢山着てもらうとなると洗濯の回数も増えるため、生地選びの際はかなり意識しました。 二つ目は、TARROW TOKYOさんの大切にしている考えの尊重。「良いものを長く着られるような服作りを。」という目標を大切にしているため、私たちも生地の耐久性は外せないと最初から考えていました。
②生地選び
生地スワッチやサンプルの中からイメージに近いもの探し。「着心地が良い」、「洗える」、「高見え」これらのワードを満たす生地を選ばなければならないので、最終的な決定をするまでかなりの時間を必要としました。実際に見本を取り寄せ、最終的に2候補まで絞り込みました。ここまでしてようやくサンプル制作に進みます。
1STサンプル完成
企画始動から約4ヶ月。長い期間を経て出来上がったサンプルがこちら
画像では少しわかりにくいですが、共にニット素材で、片方は強撚糸*に。
*強撚糸:撚りの強度を高めた糸のこと。しわに強く耐久性がある。
強撚糸の生地でサンプルは適度にハリ感もあり、「高見え」という部分は問題なさそうです。もう片方はニットらしさのある柔らかい風合いで、「着心地」肌触りは抜群でした。タロウ側としては、2つとも想像以上に良い上がりだったので一安心しましたが、実際にネイバーズ上北沢の皆さんにお見せする時は少し緊張しました。
以下、上北沢チームコメント
上北沢チーム サンプルが届いた時は、メンバー全員が服を1から制作する事が初めてだったこともあり、形になったワクワク感から、「早く開けよう!」というテンションでした。 開封してすぐ試着をして、ネイバーズ上北沢のハウスメイトに着てもらい実際の着用感などを含めた率直な感想をいただきました。
上北沢チーム 仕上がりに関しては、どちらも完成度が高くびっくりしました。 特に生地!とてもしっかりしていて、質の高さを感じました。 正直、生地についてはサンプル作成に至るまで、かなりすり合わせに難航していて、大きな不安があったものの、さすがOEM発のブランドさんだなと思いました(笑) 早速、その日の晩には、ハウスメイトからもらったアドバイスを参考にし、次の2ndサンプル作成に向けての改善点を話し合いました。
まだ1stサンプルではあるものの、上がりの良さに双方気持ちがとても上がりました。あとは製品化に向け、微調整や色決め、最終的にどっちの生地(強撚糸かそうじゃないか)にするかを詰めていきます。最終的にどのような形になるのか、ご期待いただければと思います。
おまけ〜Social Good Lounge ツナグイチに展示!
6月18日(日)に開催された「ツナグイチ」に本企画の1stサンプルが展示されました。この展示は上北沢チームの皆さんが完全自主的に行ってくれたもので、展示を行ったお陰で、来場した方々の意見を直接聞くことができ、自分たちだけでは気がつけなかった、修正点を新たに見つけることができました。
今回は、プロジェクトの発足背景からプロジェクトがスタートするまでをお届けしました。次回はサンプル制作についてご紹介します。
【TARROW×SOCIAL APARTMENT】LOUNGE WEAR】公式ページ
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