入居者がアパレル企業と洋服を本気で作った話 vol.1 [コラム]
アパレル企業のTARROW TOKYOとソーシャルアパートメントの入居者チームで開始した「ルームウェアプロジェクト」。ソーシャルアパートメントの入居者ならではの視点で商品を開発し、実際に販売することを目指して取り組んでいます。TARROW TOKYOのWebサイトにて公開されているコラムを数回に分けてお届けしていきます。
TARROW TOKYO×SOCIAL APARTMENTの「ルームウェアプロジェクト」とは?
実直なものづくりには自信があるけれど、「どこまで着る人の目線に立てているのか?」、「もっとユニークな発想で洋服づくりができないか?」という課題をタロウが抱えていた事がきっかけで本プロジェクトは始まりました。
2023年の初めにタロウのスタッフが「ソーシャル アパートメント」の存在を知ります。ソーシャルアパートメントは、シェアハウスではなく、 住人間の交流を楽しめる新しいライフスタイルの交流型マンションです。
どこまで着る人の目線に立てているのか?
もっとユニークな発想で洋服づくりができないか?
この課題を解決するヒントが得られるかもしれない。なにより、タロウにとっていい経験になると感じるようになりました。
プロジェクトのメンバーを募集する
運営元であるグローバルエージェンツさんにタロウがもつ課題や、取り組みについて相談をしたところ、実際に入居者さんとコミュニケーションを取る機会を設けていただけました。
事前に入居者さんに周知をしていただいた上で、オンラインMTGにて洋服作りに興味のある数多くの入居者さんとお話をしました。率直な感想として、どなたと取り組みを行っても、タロウだけでは考えられなかったものづくりができると感じました。
タロウにとってこのようなプロジェクトは初めてなこともあり、丁寧に進行したいという思いから、数回に渡る事前アンケートの実施、またオーディション形式にて、関わる人の意見がちゃんと反映できそうな人数まで絞らせていただき、チーム制でプロジェクトをスタートさせることになりました。(この企画に興味をお持ちいただき参加いただいた70名以上の皆様、改めてお礼を申し上げます。)
チーム「ネイバーズ上北沢」
オーディションを終え、最終的にプロジェクトを共に進行してもらうことになったのは、「ネイバーズ上北沢」に入居している6名の方々。事前に実施したアンケートへの回答は、どの項目もすごい文字量で熱意が書き連ねられていたり、直接メールで質問をくれたり、想いを動画で届けてくれたり、+αのアクションがとにかく多いことが印象的なチームでした。
作り手としてもこの熱量はとてもありがたく、プロジェクトに明るい展望を持てこともあり、この6名をプロジェクトメンバーとして選定させていただきました。チーム代表から参加しようと思った理由を伺いました。
チーム代表 ちょうど服作りしたいと思っていたところにドンピシャで企画の案内が届いたからです。最初は本当に軽い気持ちでした。たまたま仲が良かったメンバーに声をかけたのですが、この企画に参加するために色々話すと、みんな服に対する熱がとてつもなく、どうせやるなら振り切ろうって事で、気づいたら毎日何時間も話し合ってました(笑)。この時間が今になってみると、とても大事だったんだなと思います。服が好きという共通項はありますが、モノづくりに興味があったりだとか服を通して人々にエンパワーメントしたい、日頃服に関して抱えてる課題を解決するような服を作りたいなど、それぞれの想いを持ってこの企画に参画しています。
プロジェクト開始!制作する洋服を決めていく
今回のようなコラボレーション企画を実施することはタロウにとってはじめてなので、どのように進めていったらいいのか迷い、手探りの状態でスタートしました。
まずは意見交換をして、重要になりそうなキーワードをまとめました。
長く着られる服
暮らしの質を今より少しだけ高める服
コミュニケーションを取るきっかけになる服
気にせず洗える服
外着、部屋着両方で使える服
そして、企画がぶれてしまわないよう共通認識も設定。
「中途半端に手を広げすぎず、自分たちの目が届く範囲で本気でものをつくることを今回のプロジェクトで達成する」
「半径3mに住む隣人たちが喜ぶ・求める服は”何か”を徹底的に突き詰めて洋服をつくる」
ここまで話してようやく企画の輪郭が見えてきました。
今回のプロジェクトでは、ソーシャルアパートメントで暮らす皆さんならではの課題感を突き詰め、最終的には一般の方が抱える課題も解決できるような洋服づくりができるのが理想です。議論を重ね、「ラウンジウェア」を作る方向で話はまとまりました。これにいたるきっかけとなった課題があります。それは、「共有スペース(ラウンジ)に行くときの服装に迷う」というもの。
ソーシャルアパートメント内の共用スペースは、他の入居者も利用するスペースなので、ある程度人目を気にする必要があります。わざわざ着替えて利用する人が意外と多いそう。もし、部屋でも共有スペースでも、そしてお出かけにも使える、そんな洋服がつくれたら、リモートワークをしている方をはじめ、様々な人の役に立てるのではないでしょうか。そういう思いもあり、「ラウンジウェア」を作ることにしました。
洗える、着心地が良い、高見えする。この3つを叶えたい。それぞれのシーンで求められることは違います。例えば部屋着であれば、「着心地が良い」ことが重要になりますし、外着であれば、ラフになり過ぎない適度な「高み見え」感があって欲しいです。そしてなにより、利用頻度も高くなるであろうことから、洗うことにストレスを感じない服であることが好ましいです。
今回は、プロジェクトの発足背景からプロジェクトがスタートするまでをお届けしました。次回はサンプル制作についてご紹介します。
【TARROW×SOCIAL APARTMENT】LOUNGE WEAR】公式ページ
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