開発担当のこだわりが詰まったインスピレーションを刺激するライブラリー
オープンからわずか3週間で全144室が満室となったネイバーズ武蔵中原。
「街」をテーマにした多彩な共用スペースが特徴的な物件ですが、前回のワーキングラウンジに続き、LIBRARY(図書館)について開発担当の伊藤に話を聞いてみました。
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ー前回は”会話ができるワーキングラウンジ”の開発秘話を伺いましたが、今回はライブラリーについて聞かせてください。
伊藤:ワーキングラウンジ内のライブラリーには150冊の選書が並んでいます。
“会話ができるワーキングラウンジ”を思い描いたとき、完成形のイメージは街のBOOKCAFEのような場所でした。
会話や音楽は聞こえてくるけど、読書に集中している人もいるのでざわざわはしていない。
僕が初めてBOOKCAFEを訪ねたとき、なんだか不思議な飲食空間だなと思いつつどこか居心地のよさもあって、なんとなく”本”の存在が気になっていました。
当初はインテリアとして本を並べてみようか程度に思っていましたが、次第に「ここはお店ではなく住居。飾るよりも手にとって読めるモノのほうが楽しめるのでは」という思いが強くなり、「飾る」ではなく「読む」本を選びました。
ー伊藤さんが選書したのですか?
伊藤さん:はい!と言いたいところですが…(笑)
ライブラリーに並ぶ本は、今回のプロジェクトに共感頂いたブックディレクターに選書を依頼しました。
今回のブックディレクターは、 個人的に大好きなアートブックショップPOSTを経営している limArtの中島佑介さんです。
POSTは中島さんが選りすぐりのアートブックを中心とした古書に加えて、”出版社”ごとにスポットを当てた新刊を扱うお店です。
海外の出版社は、出版社ごとに個性があって好きな「出版社」に出逢うと1つのジャンルに捉われていないにとても深くて面白い。
そんな本の集め方や魅せ方が好きで、僕が若いころにずっと通っていた本屋さんです。
前職でもお仕事を一緒にさせていただく機会があり、今回も本棚があるということで真っ先に思い浮かんだ本屋さんでした。
ソーシャルアパートメントへ住むであろう世代の年齢層や物件のテーマなどをお伝えしたうえで、親和性の高い12のワードを抽出してもらい、入居者のインスピレーションを刺激するデザインに関する本や日本の文化を知ってもらえるような古書などを選書して頂きました。
選んで頂いた本をじっくり見たときはどれも魅力的で、知らなかった世界をまるで旅しているような感覚に陥りました。
ー150冊の本にはそんな背景があったのですね!伊藤さんのオススメ本はありますか?
伊藤:個人的な好みになってしまうのですが、3冊ピックアップさせて頂きますね。
伊藤:1956年に寿屋(現サントリー)宣伝部がトリスバー常連客へのサービスとして創刊した洋酒天国。
当時のバーに訪れる紳士に向けて、お酒遊びとは、女性とは、などを様々な視点からとらえて解説した本です。
時代背景もあいまって当時の大人な男性とはというものを説く、とてもユニークな本で気に入っています。
伊藤:2冊目はシンガポールのデザイナーAlvin Ho(アルビン・ホー) と Clara Koh(クララ・コー)が、当たり前に目にしている日常のものや現象を探求するプラットフォームとして創設したAtelier HOKO(アトリエ ホコ)が発行する雑誌。
「Science of the Secondary (取るに足らない科学)」は、毎号生活の中のあるひとつの事柄に焦点を当て、ユニークかつ真面目にそのテーマについて探求しています。
こちらのトイレットペーパーに関する号は、デザインや、パッケージのされ方、価格についてや、使い方(拭き方)笑 にいたるまで細部まで研究された内容が掲載されていて興味深いです。
伊藤:フランス出身で現在はロンドンを拠点に活動する写真家・映像作家のGautier Deblonde(ゴーティエ・デブロンド)。
世界的に活躍するアーティストのアトリエを撮り続けてきた写真家です。
そんな彼の作品を収めた本作には、総勢70名のアトリエが登場します。
未完成の彫刻で埋められた空間や絵の具の筆が散らばった床、興味深い材料が並ぶ棚…アーティストの姿こそ写らないものの、彼らの存在がどことなく感じられ、創造が形作られてきた足跡を辿ることができます。未完成だからこそ躍動感がある。
特にお気に入りの一冊です。
ーなるほど。いままで手に取ったことのない本ばかりで、正直ちょっとマニアックですね(笑)
伊藤:たしかにマニアックな本も多いのですね(笑)
好きな人にはたまらないようで、「おもしろい本がたくさんあって楽しい」と嬉しい言葉をもらえることもあります。
導入が難しい本も多いと思うので、どんな内容の本なのかキャプションをつけたりして、手に取りやすいように工夫しています。
ふとした時に、ここにある本でも手に取ってみようかなと思ってもらえると嬉しいです。
ー伊藤さんのこだわりがたくさん詰まったLIBRARYの紹介、ありがとうございました。
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