ネイバーズ東十条 ツバサさん vol.1|フェスぼっち常連が、10人で野外フェスに行くようになるまで
入居者さんからソーシャルアパートメントでの体験をお届けしてもらう寄稿コーナー。今回はネイバーズ東十条にお住まいの「イノウエツバサ」さんのコラムです。
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ソーシャルアパートメントでの2年半は、第二の青春だった
社会人になり、歳を重ねると、友達が減っていった。新しい友達を作る機会が減るし、ライフステージの変化などで昔の友達とも次第に会わなくなるからだ。
ぼんやりと、新しい友達を作ろう、新しいコミュニティに入ろう、と考えていたけど、具体的な行動には移していなかった。引っ越しをするタイミングになって、偶然見つけたのがソーシャルアパートメントだった。
それまでシェアハウスなんて住んだことがない上に、根が陰キャの僕にとって、相当ハードルの高い選択だったが、思い切って住んでみることにした。
こうして、僕の生活は一変した。
仕事を終えてラウンジに行くと誰かがいて、毎日が宴会のような生活。休日はフェスにキャンプに旅行にサウナ。こんなに遊ぶのは大学生以来だった。いや、よく考えれば大学の頃も、こんなに大人数で遊んだことなんてなかったと思う。
友達もたくさんできた。学生の頃にやり残したこともたくさんできた。
まさに、第二の青春。この生活をそう言わずして、なんと言おう。
この連載では、陰キャがソーシャルアパートメントで過ごした2年半のあいだで経験した、「第二の青春の日々」を振り返っていきたい。
30代、はじめての大人数キャンプフェス
野外フェスに、男女混合の大人数で参加する。そんな眩しいイベント、これまで縁がないと思っていた。だけど、今となっては3年連続、10人近くで野外フェスに参加するようになっている。
これまでの人生で、ライブはソロ参加か、少数の音楽好きの友達と参加することしか経験がなかった僕にとって、驚きの体験だ。まさか30代でそんな経験ができるとは思わなかった。ソーシャルアパートメントに住んでいると、その「まさか」が数え切れないほどあるから楽しい。
ネイバーズ東十条に住んでから、朝霧JAMには3年連続、FUJI&SUNには2年連続で参加している。どちらも静岡県で開催され、イベント会場から富士山が一望できる広大な自然環境で、キャンプと音楽が一度に楽しむことができる。考えうる限り、最高のフェスだ。
さて、今年の10月に、三度目となる朝霧JAMに行ってきた。
10人規模で行くため車を2台借りて向かうが、すでにソーシャルアパートメントを退去しているメンバーもいるため、各地に住む友達をピックアップしつつ会場へと向かう。
会場に着いて、まず行うことはテントの設営だ。とはいえ、キャンプをするのは小学生の課外学習以来、なんてインドア人間だったので、テントの設営はキャンプ慣れした人たち頼り。手伝いながらテントってこうやって立てるのか、と知った。
キャンプを経験したことで、その楽しさを知ることができたのも、ソーシャルアパートメントに住んで良かったことのひとつだ。
テントが立つと、まずは腹ごしらえ。肉を焼きながら、クーラーボックスからロング缶を取り出す。みんなで乾杯をすると、いよいよフェスがはじまる気分になる。
キャンプでもフェスでも、最初の乾杯が「はじまりの合図」という感じがして、やっぱりわくわくする。
キャンプ場からライブ会場にはバスで向かう。バスを降りて、歩いていくと、徐々に音楽が聴こえてきて、いよいよフェスに来たな、という感覚になる。会場に入ると、みんな離れていても集まれるように場所を決め、レジャーシートを敷いて、拠点を作る。
フェス会場は電波が繋がりにくくなるため、大人数なら拠点作りは必須だ。
各々が見たいアーティストを見る、フリーなスタイルでライブを楽しむ。ここぞというアーティストのときは、みんなで集まり、一緒にお酒を飲みながら音楽を共有する。この自由な感じが良い。
ラウンジでも定番の曲で大合唱し、焚き火を囲んで語り合う夜
ライブ中の思い出はこの2年半でたくさんあるけど、やっぱり「みんなが知ってるあの曲!」で思い出を共有できた瞬間が特に記憶に残っている。
たとえば、今年5月のFUJI&SUNに出演したnever young beach。日が落ちてライトアップされたステージで、「お別れの歌」「明るい未来」を歌ってくれて、僕らも一緒になって大合唱した。
この曲は、ネイバーズ東十条のラウンジで突発的に行われる「DJタイム」で、お決まりの曲だったのだ。盛り上がらないわけがない。
こうした定番の曲が流れると、やっぱりみんなアガる。同じくFUJI&SUNでceroが披露した「Summer Soul」、朝霧JAMでSTUTSが披露した「Summer Situation」なんかは盛り上がった。それぞれ5月と10月に聞いたから、夏のはじまりと終わりを感じてたっけ。
ライブが終わるとテントに戻り、夕飯を作る。火を起こして焚き火を囲みながら、語り合う。
お酒を飲みながらライブを見ているので、夕飯のときにはまあまあ酔っていて、正直あまり会話の内容を覚えていない。たぶん他愛もない話をしていると思う。でもそれが楽しい。
揺らぐ炎を見ながら、誰かが言った。
「いつまでこんなふうに、みんなでフェスに来れるんだろうね」
たぶん、ずっと同じメンバーで集まるのは難しい気がしている。それぞれライフステージが変化するだろうし、住む場所だって変わるかもしれない。
もしかすると、全員がソーシャルアパートメントを出てしまったあとは、自然と集まらなくなるかもしれない。
「でも、将来、子どもを連れて、みんなで集まれるといいよね」と、また誰かが言った。
「それ、いいね」とみんな口にする。
朝霧JAMやFUJI&SUNといったキャンプフェスには、子連れの家族が多い。自然が豊かで、会場が広く、人が密集していないので、小さな子どもを連れて参加しやすいフェスなのだろう。
子ども連れでキャンプを楽しむ人たち。そんな光景は幸せのかたちそのものに思える。
「こういうの、いいな」と思う。
いつか、子どもを連れて、みんなでここに集まる。ソーシャルアパートメントに住んで三度目のキャンプフェスは、そんな未来が少しだけ見えた気がした。
(執筆:イノウエツバサ 撮影:イノウエツバサ、yukimasa)
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