SOCIAL APARTMENT
COLUMN

ネイバーズ東十条 ツバサさん vol.3|「みんなの行きつけの店」ではしご酒。これぞソーシャルアパートメント生活の醍醐味だ

2025-03-13

入居者さんからソーシャルアパートメントでの体験をお届けしてもらう寄稿コーナー。今回はネイバーズ東十条にお住まいの「イノウエツバサ」さんによるコラム「第二の青春、ソーシャルアパートメント」vol.3です。

家の近くに行きつけの店が欲しい。ふらっと顔を出せば馴染みの店主や常連がいて、気軽に話ができるような店。ずっとそう思っていたものの、今までに常連と言えるほど通い詰めた店はなかった。

でも、ソーシャルアパートメントに住んだことで、ようやく常連になれる店を持つことができた。たぶん一人暮らしだったらできていなかったと思う。

ソーシャルアパートメントに住んでいると、住人と近所のお店に出かける機会が増える。誰かと一緒に行けば、店主や他のお客さんとの会話も生まれやすくなる。さらに東十条という土地柄、個人店が多く、常連になりやすい店が多い。

店主と話すと、他のお店についても教えてくれて、また行きたい店が増える。そこに住んでいる人にしかわからないようなディープな店を知ることができる。

とはいえ、僕はなかなか一人でお店に行って会話するようなタイプではないので、誰かと一緒に行くことがほとんどだ。東十条でよく一人飲みをして、行きつけの店がいくつもある、住人のあべちゃんに案内してもらった。

まるでおしゃれビストロ。一人飲みしやすい「シュミズ」

最初に訪れたのは「サケトオバンザイ シュミズ」。東十条駅から十条駅へと向かう途中、演芸場通りにある居酒屋で、2024年にオープンしたばかり。カウンターがメインの店になっていて、一人飲みしやすい。白と黄色の配色のかわいい内装で、照明も明るい。おしゃれなビストロのような印象だ。

使い古された木の机や椅子に暖色の照明の、いわゆる赤提灯系の居酒屋が東十条には多い分、珍しい雰囲気の店な気がする。

メニューは日替わりで変わるようで、どれも美味しく、お酒が進む。1軒目でお腹も空いていたので、生姜焼きやグラタンなどを食べた。お酒の種類も多い。スパイス焼酎やカルダモン焼酎などの変わり種も置いてあるのが嬉しい。

あべちゃんはよく一人で飲みに来ていて、店主に相談ごとをしたりしているらしい。仕事で少し遅れてきたあべちゃんが店に入るなり、店主と気さくに会話を交わしていた。まさに思い描いていた常連の姿。羨ましい……。

「シュミズ」には、あべちゃんがきっかけで、東十条の他の入居者もよく足を運んでいるのを目にする。店主との距離が近く、ごはんを食べながら会話ができるお店。まるでドラマ『深夜食堂』のようだ。温かな雰囲気で、また来たいと思えるお店だった。

ネイバーズ東十条、第二のラウンジ「おく」

続いて向かったのは「呑み処 おく」。カラオケもできるスナックのような居酒屋で、なんとネイバーズ東十条から徒歩30秒、目と鼻の先にあるお店だ。

ネイバーズ東十条のラウンジから、「おく」と書かれた特徴的な赤ちょうちんが見えるので、オープンした2023年の当初から住人の間で話題だった。今ではみんながちょくちょく飲みに足を運ぶ、住人馴染みの店になっている。

店を貸し切って、退去する住人の送別会を行ったこともある。このときは第二のラウンジなのでは、と思えるほど住人が集まっていたのを思い出す。

店に入ると、ママが「いらっしゃい!」と迎えてくれる。この感じが実家のような安心感があって心地良い。あべちゃんは一人で飲みに行くような常連、その日一緒に行った2人も同じく馴染みの客なので、会話も弾む。

昔からある居酒屋のような雰囲気の店内で、おでんをアテにお酒を飲んでいると、やっぱりこれが東十条だなぁ……としみじみ思う。

いつものようにカラオケを入れる。よく一緒に飲むメンバーはカラオケ好きが多いので、「おく」に来ると大体カラオケ大会の様相になる。

もちろんみんなでわいわいと飲むだけではなく、カウンターもあるので、ひとりでも来やすいお店だ。住んでいるうちにひとりでも行ってみたい。

地下に広がる理想のスナック「ありがトン」

「おく」が23時に閉まったあとはいつも、スナック「ありがトン」に向かうのが最近の定番コースだ。地下にあるお店で、扉を開けてすぐ現れる急な階段を降りると、深夜に深酒をするのにぴったりの薄暗いムードある光景が広がっている。

店に入ると気さくで話好きのママが出迎えてくれる。その安心感といったら! これこそ求めていた理想のスナックだ!

カウンター席とボックス席があり、カウンター席は椅子が広くて、座り心地が良いのでついついくつろいでしまう。

「ありがトン」はママが作る料理が美味しいことも魅力だ。お通しで提供される3種類の料理はママの手作りで、毎回違うメニューなのが嬉しい。

この日もボトルを入れて、みんなで飲みながら、カラオケを歌う。これぞスナックの醍醐味。「ありがトン」に行くときはたいていはしご酒なので、かなり酔っていることが多く、途中から記憶があやふやなことが多い。

この日も散々飲んで、カラオケを歌って楽しんだ。やはり記憶が怪しい。でも「楽しかった」という感覚だけはいつも残っているから、まあいいか!

後日訪れたとき、ママから「あの日はぎりぎり起きてたわよぉ」と言われて、ほっと一安心した。

行きつけの店ができた。馴染みのなかった東十条が「自分の街」になった

東十条の行きつけの店を独断で紹介してみたが、これ以外にもよく行くお店はあるし、住人それぞれの行きつけの店だっていくつもある。こんなに東十条のお店に通うことができたのは、ソーシャルアパートメントに住んだからこそだと思う。

ソーシャルアパートメントは関東を中心に50棟ほどあり、地域もそれぞれ違う。同じ土地で人と暮らすからこそ、ひとりでは入りにくいお店でも、一歩を踏み入れることができる。

ソーシャルアパートメントに住むからには、みんなでその街の行きつけの店を作ることをおすすめしたい。間違いなくその街の解像度が上がるし、愛着が湧くようになる。それに住人との仲も深まり、思い出も増える。

行きつけの店を作ってこそ、ソーシャルアパートメント生活の醍醐味と言えるのではないだろうか。

僕自身、気づけば行きつけの店ができていた。いつもの店に行き、顔馴染みの店主と話し、お酒を飲む。それまで一度も訪れたことのなかった東十条が、今ではすっかり「自分の街」と言えるようになった。

さて、次はどの店に飲みに行こう。

(取材・執筆・撮影:イノウエツバサ)